マットレスのシミには種類がある?まずは原因を特定しよう
マットレスにシミができてしまったとき、いきなり洗浄を始めてしまうのはおすすめできません。
なぜなら、シミの原因や種類によって対処法がまったく異なるからです。
たとえば、食べ物による汚れと、体液による汚れでは、使用する洗剤や落とし方が変わってきます。
誤った方法で対応すると、汚れが広がったり、素材を傷めてしまったりする恐れもあるため注意が必要です。
また、見た目では判断しづらい黒ずみやカビといった特殊な汚れも、正しい知識を持って見極めることが重要です。
まずはシミの性質を冷静に観察し、「何が原因か」「どのように広がっているか」などを把握してから対処しましょう。
このセクションでは、主なシミの種類とその特徴をわかりやすく解説します。
正しい原因の特定が、適切なクリーニングの第一歩となります。
飲み物や食べ物によるシミの特徴とは
食べ物や飲み物をこぼしてできたシミは、比較的わかりやすい見た目をしていることが多いです。
たとえば、コーヒーや紅茶、ジュースなどの飲み物は、薄茶色や黄色の染みを残します。
一方で、カレーやソースなどの油分を含んだ食べ物は、油じみとして広がりやすく、時間が経つと変色する場合もあります。
これらのシミは早期に対処すれば比較的落としやすいですが、放置すると繊維の奥に染み込んで頑固な汚れになってしまいます。
中性洗剤や重曹を使って部分洗いをすることで、ある程度きれいに落とすことが可能です。
ただし、洗浄前に素材への影響がないか確認することも大切です。
また、色素の強い飲み物やソースの場合、酸素系漂白剤の使用を検討してもよいでしょう。
いずれの場合も、まずは汚れの状態を確認し、表面の汚れを優しく拭き取ってから処置を始めるのが基本です。
汗や皮脂汚れが原因のシミとは?
汗や皮脂によるシミは、日常的に発生しやすく、気づかないうちに徐々に蓄積されるのが特徴です。
特に夏場や寝汗の多い方の場合、頭部や背中、腰のあたりに黄色っぽいシミが出やすくなります。
皮脂は油分を多く含んでいるため、水洗いだけではなかなか落ちず、時間の経過とともに酸化して黒ずんでいくことがあります。
このタイプの汚れには、中性洗剤を溶かしたぬるま湯でのたたき洗いや、重曹やセスキ炭酸ソーダの活用が有効です。
ただし、強くこすったり、高温のお湯で洗ったりすると、生地が傷む原因になるため注意しましょう。
また、乾燥が不十分なまま使用を再開すると、カビの原因にもなります。
洗浄後は風通しのよい場所でしっかりと乾かし、定期的なケアを習慣づけることが、シミの予防にもつながります。
尿や嘔吐など体液によるシミの違い
尿や嘔吐によるシミは、衛生面からも早急な対応が必要です。
尿によるシミは黄色から茶色に変化しやすく、独特のアンモニア臭を伴うことが多いです。
また、タンパク質や塩分を含んでいるため、時間が経つと固着しやすく、雑菌が繁殖する原因にもなります。
一方、嘔吐物のシミは消化液が含まれており、酸性度が高く、生地を変色させたり傷めたりするリスクもあります。
このような体液汚れには、まず水分をできるだけ吸い取った後、中性洗剤で優しくたたき洗いするのが基本です。
その後、除菌効果のあるスプレーや、酸素系漂白剤でにおいと汚れを分解すると効果的です。
ただし、臭いが残ってしまう場合には、二度洗いを検討するか、プロのクリーニングを依頼する選択肢もあります。
体液系のシミは感染予防の観点からも、手袋を着用し、使ったタオルや布は廃棄または消毒を行うことをおすすめします。
黒ずみやカビとの見分け方
マットレスの黒ずみやカビは、一見するとシミと区別がつきにくいことがあります。
黒ずみの多くは、皮脂や汗が長期間蓄積したものや、空気中の汚れが繊維に定着したものです。
一方で、カビは湿気の多い場所や乾燥が不十分な状態で繁殖し、黒い点状の斑点として現れます。
特に梅雨時や冬場の結露などで室内湿度が高まると、マットレスの内部にもカビが生えやすくなります。
カビと汚れの違いを見極めるポイントは、臭いや触感です。
カビには独特のカビ臭があり、触れるとやや湿っているような感触が残ることがあります。
また、拭き取っても残る斑点状の汚れは、カビである可能性が高いです。
このような場合には、市販のカビ取りスプレーではなく、アルコールや専用の抗菌剤を使って対処する必要があります。
さらに、カビが広がっていたり、深く根を張っていたりする場合には、衛生面を考慮して買い替えも検討したほうがよいかもしれません。
素材によって洗浄法は異なる?マットレスのタイプ別対処法
マットレスにはさまざまな素材がありますが、実はその素材によって洗い方の注意点が大きく異なります。
同じように水洗いをしても、内部構造が劣化したり、乾きにくくてカビが発生してしまうこともあるんです。
たとえばウレタン素材は水に弱く、しっかり乾かさないと変形してしまう恐れがあります。
スプリングタイプの場合は、金属部分のサビや内部に残る湿気が問題になりやすくなります。
まずは自分のマットレスがどのタイプかを見極め、それに合った洗浄法を選ぶことがとても大切です。
このセクションでは、主要なマットレスタイプごとの特徴と、それぞれに適したお手入れ方法を詳しく解説していきますね。
素材に合った対処法を知っていれば、失敗のリスクを避けられて、マットレスを長く清潔に保つことができます。
ウレタンマットレスの洗い方と注意点
ウレタン素材のマットレスは、軽くて寝心地が良いことから人気がありますが、水分に弱いという性質があります。
特に、内部まで水が染み込むと乾燥に時間がかかり、湿気が残ったままだとカビの原因になってしまうんです。
洗浄する際には、できるだけ「部分洗い」が基本です。
シミや汚れが気になる箇所に中性洗剤を染み込ませたタオルを使い、優しくたたきながら拭き取るようにしましょう。
その後、ぬるま湯で濡らした別のタオルで洗剤分をしっかり取り除きます。
また、陰干しで風通しの良い場所に立てかけて、完全に乾かすのが鉄則です。
乾燥が不十分だと、素材内部で細菌が繁殖し、においや劣化の原因になってしまいます。
なお、洗濯機の使用や丸洗いは基本的に避けるのが無難です。
カバーが取り外しできるタイプなら、カバーだけを洗濯するようにしてください。
ポケットコイルやスプリングタイプの特徴
ポケットコイルやスプリングタイプのマットレスは、内部に金属製のコイルが使用されているため、水洗いには大きなリスクがあります。
金属部分が錆びてしまうと寝心地が損なわれるだけでなく、マットレス全体の耐久性にも悪影響を及ぼします。
また、スプリングの隙間に湿気が残ると、内部でカビや細菌が繁殖する可能性もあります。
そのため、このタイプのマットレスは、基本的に「自宅での水洗いは推奨されない」と覚えておいてください。
どうしても汚れが気になる場合は、表面のシミだけを部分的に落とすようにし、中性洗剤やアルコールスプレーで対処する方法が安全です。
汚れが広範囲に及ぶ場合は、専門のクリーニング業者への依頼を検討するとよいでしょう。
また、防水シーツやベッドパッドを併用して、汚れが内部に達しないよう日頃から予防することも大切です。
ラテックス・高反発マットレスの場合
ラテックスや高反発素材のマットレスは、弾力性に優れ、体圧分散にも効果的な反面、水や湿気に対してはそれほど強くありません。
特に天然ラテックスは吸湿性が高く、一度水を含むと乾きにくいため、放置するとカビのリスクが高くなります。
このタイプも基本的には「部分洗い」が推奨されます。
中性洗剤を薄めた液を柔らかい布に含ませ、表面を優しく拭くようにしましょう。
洗剤を使ったあとは、きれいな水を含ませた布で洗剤分をしっかり拭き取り、風通しの良い場所で陰干しします。
なお、ラテックスは紫外線にも弱いため、天日干しは避けた方が無難です。
また、高反発ウレタン素材も同様に、熱や湿気に注意が必要です。
急激な乾燥は変形の原因になりますので、扇風機や除湿器を活用してゆっくり乾かすのがポイントです。
洗えない素材はどうすればいい?
マットレスの中には、洗えない素材や構造のために自宅での洗浄が難しいタイプもあります。
たとえば、ファブリックの内部に防炎素材や特殊な接着剤が使われているもの、または密閉性の高い構造のものなどです。
このようなマットレスは、水を使った清掃がむしろ劣化を招くリスクがあるため、無理に洗わず、表面の汚れのみを拭き取る対処法がベストです。
汚れた部分にはアルコールスプレーやファブリック専用の除菌・消臭剤を使用し、やさしく拭き取りましょう。
また、消臭や湿気対策には、重曹や竹炭シートなどの自然素材を活用するのもおすすめです。
それでも気になる汚れがある場合は、専門のマットレスクリーニング業者に相談するのが安心です。
定期的にベッドパッドや防水シーツを活用し、汚れを防ぐ工夫をすることが、清潔を保つうえで最も重要です。
すぐ試せる!家庭にあるものでできるシミ抜きの基本手順
「マットレスのシミ、業者に頼まないと落とせないのでは?」と思っていませんか?
実はご家庭にあるアイテムでも、軽度〜中程度の汚れであれば十分対処できます。
大切なのは、シミの種類に合わせた洗浄剤を選び、正しい手順で作業を行うことです。
やみくもにこすったり、水をかけすぎたりすると、かえって汚れが広がってしまうこともあるので注意が必要です。
このセクションでは、中性洗剤、重曹、酸素系漂白剤、クエン酸といった身近なアイテムを使った基本のシミ抜き方法を順番に紹介します。
乾燥前にチェックしておくべきポイントまで、実践的に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
中性洗剤や重曹を使った方法
まずは最も手軽で安全性の高い方法からご紹介します。
中性洗剤は洗濯用の液体洗剤でOKです。
バケツなどにぬるま湯を用意し、中性洗剤を少量加えて薄めます。
その液に布を浸し、よく絞ったうえでシミ部分をポンポンとたたくようにして拭き取ります。
こすらず、押し当てるようにするのがポイントです。
次に、重曹を使った方法も有効です。
水で溶いた重曹ペーストをシミ部分にのせ、15〜20分放置した後、柔らかい布で拭き取ります。
このとき、重曹が繊維に残らないように、仕上げに湿らせた布でていねいにふき取ってください。
重曹には消臭効果もあるため、皮脂や汗によるにおいが気になる場合にも効果的です。
ただし、色柄ものの布地やデリケートな素材には注意が必要なので、目立たない場所でテストしてから使うようにしましょう。
酸素系漂白剤の使い方と注意点
酸素系漂白剤は、食品や体液によるシミに高い効果を発揮します。
衣類用の液体漂白剤(酸素系)を、表示に従って水で薄め、きれいな布を浸して使用します。
必ず中性洗剤と同じように、トントンと押さえるようにしてシミを処理してください。
広がらないように、シミの外側から中心に向かって処理するのがコツです。
ただし、酸素系漂白剤には注意点もあります。
素材によっては色落ちしたり、繊維が傷む可能性もあるため、使用前に洗濯表示の確認とパッチテストが必要です。
また、作業中は換気を十分に行い、ゴム手袋をつけて肌を保護しましょう。
塩素系漂白剤との併用は絶対に避けてください。
化学反応によって有害ガスが発生するおそれがあるため、酸素系であることを必ず確認してから使うようにしましょう。
漂白剤を使った後は、しっかりと水拭きして洗剤を取り除き、乾燥させて仕上げます。
クエン酸や酢で分解する手順
クエン酸や酢を使ったシミ抜きは、特にアルカリ性の汚れに対して効果的です。
皮脂汚れや尿汚れなど、アルカリ性の成分を中和して落としやすくするため、自然派クリーニングの手段としても人気があります。
クエン酸は水100mlに対して小さじ1程度を溶かし、スプレーボトルに入れて使用します。
シミの部分に吹きかけ、5〜10分ほど放置したあと、布でやさしく拭き取っていきましょう。
酢を使う場合も同様に、水で2〜3倍に薄めてから使います。
強い酸性のまま使うと素材を傷める可能性があるため、必ず希釈してください。
クエン酸や酢を使用した後は、念のため別の布で水拭きをして中和残留を防ぎます。
また、臭いが気になる場合は、最終的に重曹をふりかけて5分ほど置いてから掃除機で吸い取ると、消臭効果も得られますよ。
素材との相性を確認しながら使えば、マットレスを傷めず、環境にもやさしいシミ抜きができます。
乾燥前に確認すべきポイント
洗浄が終わったら、乾かす前にいくつかチェックしておくべきことがあります。
まず、シミがしっかり落ちているかどうかを明るい場所で確認しましょう。
乾燥後に残っていると、定着してさらに落ちにくくなってしまうからです。
落ちきっていない場合は、再度、洗剤や重曹などを使って部分的にやり直すことが大切です。
次に、洗剤成分が残っていないかを確認してください。
残留した洗剤は黄ばみやカビの原因になってしまいます。
仕上げに必ず水拭きをしておくと安心です。
また、水分が残っていると乾燥に時間がかかり、カビのリスクが高まります。
タオルやペーパータオルでしっかり水気を取ったあと、風通しの良い場所で陰干しすることが推奨されます。
さらに、乾燥中はこまめに様子を見るようにしましょう。
特に湿度の高い時期は、除湿器や扇風機を併用して効率的に乾かすことも検討してください。
焦らず丁寧に仕上げることで、シミのない清潔なマットレスを保てますよ。
頑固なシミにはどう対応する?市販アイテムとプロの技
どうしても落ちないシミってありますよね?
市販の洗剤や家庭の道具である程度までは対応できますが、それでも取れない場合は専用のクリーナーやプロの技を検討する必要があります。
特に、時間が経過した黄ばみや体液系のシミ、カビ汚れなどは一筋縄ではいきません。
このセクションでは、頑固なシミに立ち向かうための方法として、市販アイテムの選び方や、掃除機・スチームクリーナーの使い方、クリーニング業者の依頼手順までを丁寧に解説していきます。
最後に、それでも落ちなかった場合にどうするかというリカバリー策も紹介しますので、焦らず対応していきましょう。
シミ取り専用クリーナーの選び方
市販されているシミ取り専用クリーナーには、用途や対象素材に応じた多くの種類があります。
マットレスに使う際は、「布製品・寝具対応」「中性または弱アルカリ性」「漂白剤不使用」といった表示を確認しましょう。
とくにウレタンやラテックスといった素材は、強力な溶剤で劣化しやすいため、洗剤の成分に注意が必要です。
なるべく泡立ちが少なく、すすぎの手間が少ないものを選ぶと使いやすく、残留リスクも抑えられます。
使用前には必ず、目立たない部分でパッチテストを行いましょう。
スプレータイプやフォームタイプが多いですが、直接吹きかけずに布に取って叩くように使うのが基本です。
使用後は必ず水拭きで成分を除去し、風通しのよい場所で完全に乾かしてください。
「落ちないからといって量を増やす」のはNGです。
素材を傷めるリスクが高まるため、必ず用法・用量を守って使うことが大切です。
掃除機やスチームクリーナーは効果ある?
家庭用の掃除機やスチームクリーナーを使ってシミ抜きに挑戦する方もいらっしゃいますね。
この方法は、汚れを「吸い取る」「浮かせる」ためには一定の効果があります。
ただし、用途を誤ると逆効果になることもあるため、正しい使い方が重要です。
掃除機の場合、シミ抜き後の水分や洗剤成分の除去に役立ちます。
特に「水拭き後の吸い取り」や「重曹の粉末除去」などには効果的です。
しかし、濡れた状態をそのまま吸引すると内部にカビが生える恐れもあるため、吸水対応の掃除機を使うか、乾燥を十分に行いましょう。
スチームクリーナーは、高温の蒸気でシミの原因物質を浮かせて取り除くための機器です。
除菌効果も期待できますが、マットレスの素材によっては熱に弱く、変形や劣化を招く恐れがあります。
ウレタンなど熱に弱い素材には基本的に不向きなので、使用は慎重に。
また、スチーム後は必ず水分をしっかり吸収し、完全に乾燥させることが重要です。
クリーニング業者に依頼する際の流れ
自宅でのケアでどうしても落とせない場合は、クリーニング業者に依頼するという選択肢もあります。
まずは、マットレスクリーニングに対応している専門業者を選びましょう。
布団専門の業者でもマットレスを扱っていない場合があるため、対応素材やサイズの可否を事前に確認してください。
依頼の流れとしては、まず電話やWEBフォームで問い合わせを行い、マットレスの種類・サイズ・汚れの内容を伝えます。
写真を送付するよう求められることもあるので、シミの状態をわかりやすく撮影しておくとスムーズです。
見積もり金額と作業日程を確認し、了承すれば予約確定となります。
当日は自宅での出張作業となるケースが多く、乾燥まで含めて数時間かかる場合もあります。
完全乾燥を確認するために、仕上げ後も数時間は換気を保ちましょう。
また、業者によっては再クリーニング保証を設けているところもありますので、納得いかない仕上がりであれば遠慮なく問い合わせてください。
落ちない場合のリカバリー策とは?
どうしてもシミが落ちない場合、リカバリー策としては「隠す」「カバーする」「張り替える」の3つが現実的な選択肢になります。
まずは、マットレス専用のカバーやパッドで目立たないように隠す方法。
防水加工がされたカバーを使えば、今後の汚れ防止にもなりますし、見た目の改善にもつながります。
次に、表面だけの損傷であれば、部分的な張り替えを検討することも可能です。
DIYが得意な方であれば、布地の張り替えキットを使って自分で補修する方法もあります。
また、マットレスが長年使用されている場合は、これを機に買い替えを検討するのも一案です。
それでも買い替えたくない・できない事情がある場合には、敷き布団やトッパーでカバーする方法もあります。
これにより、直接マットレスに触れずに使い続けることができますし、寝心地の改善にもつながるケースがあります。
無理に汚れを完全に消そうとせず、快適な睡眠を優先するという視点も大切にしてくださいね。
よくある質問と注意点
マットレスのシミ抜きを自宅で行うとき、意外と多くの人がつまずくのが「ニオイの残り」や「乾きにくさ」によるトラブルです。
また、どのくらいの頻度で掃除すればいいのか分からない、という声もよく耳にしますよね。
このセクションでは、そんな“よくある疑問”に丁寧にお答えしていきます。
さらに「コインランドリーで洗ってもいいの?」といった相談も多いため、その点も詳しく解説していきますね。
シミ抜き後にニオイが残る場合は?
シミ自体は落とせたのに、なんだか臭いだけ残ってしまうということ、ありますよね。
この原因の多くは、洗剤の成分が繊維の奥に残っていたり、汚れの根本が完全に分解されていなかったりすることによるものです。
特に体液由来のシミは、たんぱく質やアンモニア成分がニオイのもとになるため、洗浄と同時に消臭や除菌も意識することが大切です。
重曹やクエン酸を活用した中和処理を行ったり、仕上げにエタノールスプレーで拭き取ることで、臭いの発生をかなり抑えられます。
また、十分な乾燥も欠かせません。
湿気が残っているとニオイがこもりやすくなりますし、空気中のカビ菌も付着しやすくなってしまいます。
ニオイ対策の基本は、洗って終わりではなく、しっかり乾かすことです。
生乾きで再発するカビのリスクとは?
マットレスを洗った後の「乾燥不足」は、見落としがちな落とし穴です。
外から見て乾いていても、内部に湿気が残っていると、カビやダニの温床になってしまいます。
特に厚みのあるウレタンやスプリング入りのマットレスは乾燥に時間がかかるため、最低でも半日以上は風通しの良い場所で陰干ししてください。
扇風機やサーキュレーターを併用し、空気の流れを作ることで内部までしっかり乾かすことができます。
床に直接置くよりも、すのこやラックなどで「浮かせる工夫」をすると、より乾きやすくなりますよ。
カビの再発が心配な方は、乾燥後に防カビスプレーを吹きかけるのもひとつの方法です。
実は「コインランドリーで乾かせないか」と考える方も多いのですが、マットレスをコインランドリーで洗うのは機種によって難しい場合が多いです。
詳しくは関連記事の「マットレスをコインランドリーで洗える?」で触れていますが、乾燥温度やサイズ制限に注意が必要ですので、慎重に判断してください。
頻度の目安と定期的なお手入れ習慣
どのくらいの頻度でマットレスのシミ抜きをすればいいのか、悩んだことはありませんか?
明確な汚れが見えないと、ついお手入れを後回しにしてしまいがちですが、月1回程度のチェックと軽い拭き取りを習慣にするだけで、汚れの蓄積や劣化を大幅に防ぐことができます。
日常的には、寝具カバーを週1〜2回洗濯し、汗や皮脂の蓄積を防ぐことが基本です。
また、3ヶ月に1回はマットレスを上下・左右にローテーションさせて、同じ場所に体圧や汚れが集中しないようにしましょう。
これだけでも、シミの予防と耐久性の維持につながります。
ちなみに、洗えないマットレスでも「重曹やクエン酸を使った清掃方法」が有効です。
具体的な手順については、関連記事「重曹やクエン酸でマットレスを清潔に保つ方法」で詳しく紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
手軽に始められて、ニオイやシミの発生リスクを減らすことができます。
失敗しないために|マットレスのシミ予防術もチェック
マットレスのシミ抜きは、汚れてから対応するよりも「日ごろの予防」がとても大切なんです。
寝汗や飲み物のこぼれ、ちょっとした体液汚れなどは、実は日常的に発生しています。
そのため、汚れが定着してしまう前に、防げる工夫を取り入れておくことが、マットレスの長持ちにもつながります。
ここでは、自宅で簡単にできるシミ予防のポイントをご紹介しますね。
防水シーツやカバーを活用する
まず真っ先におすすめしたいのが「防水シーツ」や「防水カバー」の活用です。
これらはマットレスの表面を直接汚れから守ってくれる、とても頼もしい存在です。
寝汗の多い夏場や、小さなお子さんがいる家庭、ペットと一緒に寝ている場合などには特に効果的です。
防水タイプのシーツは、通気性があるものを選べば蒸れにくく、快適な睡眠を妨げません。
また、カバー類は取り外して洗濯できるので、いつも清潔に保つことができます。
マットレス自体を洗うのはなかなか大変ですが、外側のカバーで汚れをブロックすることで、手間も減り、寿命も延びます。
飲食や就寝前の習慣を見直そう
意外な落とし穴が「寝室での飲食」や「就寝直前の行動」です。
ベッドでお茶やジュースを飲んでいて、うっかりこぼしてしまった経験、ありませんか?
寝る直前にスキンケアやボディクリームをたっぷり塗るのも、マットレスへの汚れの原因になることがあります。
また、夜間のトイレに備えて水分を多く摂る習慣も、体からの排出量を増やし、寝汗や体液シミのリスクを高めることもあります。
「寝室では飲食を控える」「軽めのスキンケアにとどめる」など、ちょっとした行動の見直しが、汚れを未然に防ぐポイントになります。
定期的な換気と湿気対策のすすめ
マットレスは湿気がこもりやすく、放っておくとカビやシミの原因になります。
とくに敷きっぱなしの状態が長く続くと、床との接地面に湿気がたまり、黒ずみやニオイが発生しやすくなります。
週に1回は、マットレスを立てかけて風を通すなどの換気と湿気対策を行いましょう。
また、すのこベッドや除湿シートを使って、空気の流れを保つ工夫も効果的です。
ベッド下の収納も湿気の原因になるので、なるべく空けておくのが理想です。
こうした日常的なケアが、シミやカビの予防に大きく役立ちます。
なお、湿気によるシミやニオイが気になる方には、重曹やクエン酸を使った日常的なメンテナンスもおすすめです。
詳しくは関連記事「重曹やクエン酸でマットレスを清潔に保つ方法」で、掃除方法や使い方の注意点を解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
マットレスのシミを落とすには?効果的な洗浄方法|まとめ
マットレスにできたシミは、原因によって対処法が大きく異なります。
まずは飲み物や皮脂汚れ、体液などの種類を見極めることが第一歩となります。
洗浄方法は素材によって変わるため、ウレタンやスプリング、ラテックスなど各タイプの特徴と注意点を理解しておきましょう。
家庭にある中性洗剤や重曹、クエン酸などを使った基本的な手順でも、多くの汚れは落とすことが可能です。
一方で、頑固なシミには専用の市販クリーナーやスチームクリーナーの使用、場合によってはプロへの依頼も選択肢に入ります。
また、シミ抜き後のニオイ残りや湿気によるカビの再発を防ぐには、十分な乾燥と換気が重要です。
予防策としては、防水シーツの活用や日常習慣の見直しも効果的です。
マットレスを清潔に保つことで、快適な睡眠環境を維持できるだけでなく、カビやダニの発生も防ぎやすくなります。
お手入れの習慣を身につけて、シミや臭いのない清潔な寝具環境をキープしていきましょう。
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